大学院
総合リハビリテーション学研究科/総合リハビリテーション学専攻(修士課程)
研究紹介(教員)
永井 将太 教授
担当科目
実践的リハビリテーション特論Ⅱ(脳機能、脳卒中系)、実践的リハビリテーション演習Ⅱ(脳機能、脳卒中系)など
研究の概要
中枢神経系領域、特に脳卒中に対する実際のリハビリテーション(以下、リハビリ)を通じた臨床研究を主に行っていきます。
脳卒中患者のリハビリは大きく分けて二つの視点、すなわち戦略的視点と戦術的視点が不可欠です。戦略的視点は言い換えると大局的視点です。今日のリハビリ医療は、セラピスト個人では完結するものではなく、多施設・多職種・多人数との関わりが不可欠です。また、このような多施設・多職種・多人数が関わることが必須である以上、効率的で効果的な運営・運用システムを追求することが重要です(図1)。どんなに優れた”技術”を有していても、非効率なシステムの上ではその効果は十分に発揮することができません。私自身、これまでに戦略的視点を持ち研究に取り組んできました(下記参照)。また、回復期リハビリ病棟のアウトカム研究には長きにわたり従事しております。
もう一つの視点は、戦術的視点です。これは、いわゆる“技術、手技、テクニック”に該当する視点です。セラピストとして、技術を磨き、患者様に少しでも貢献するために、様々な研究に取り組んできました(下記参照)。麻痺を少しでもよくしたい、歩行能力をもっと上げるにはどうしたらよいかなど、今日でも日々追求しています。
このように、現在、皆さんが日々抱えている臨床的課題、例えば自院の回復期リハビリ病棟の効果検証、効果的なリハビリチームのあり方、新人教育、管理運営から始まり、麻痺肢の改善、歩行能力やADL能力の改善などについて、研究を通し、一緒にさらに深く追求していきたいと思っております。
臨床を第一に考え、臨床研究を指向しております。臨床家の皆さんとともに研究できるのを楽しみにしております。
研究例
戦略的な視点に立った研究
- 脳卒中リハビリテーションの新しいシステムの開発と効果検証に関する研究
- 脳卒中リハビリテーションの治療時間と帰結との関係
- 回復期リハビリテーション病棟の効果について
- 脳卒中患者とその家族に対する患者教育の重要性について
- 地方都市における地域リハビリテーション介入研究
- 回復期リハビリテーション病棟での日常生活機能評価表の有用性に関する研究
- 回復期脳卒中片麻痺患者におけるADLクリニカルパス作成に関する研究
- スタッフ教育および病棟運営に関する研究
戦術的視点に立った研究
- 片麻痺患者における下肢および体幹筋の筋萎縮の特徴について
- 脳卒中患者における併存症とADLの関係について
- フローチャート式FIM質問紙(Flow-FIM)の妥当性・信頼性の検討
- 脳卒中患者に対するCI療法の効果
- 脳卒中患者の麻痺側足関節背屈に対するミラーセラピーの効果について
- 脳卒中片麻痺患者に対する蛋白同化ホルモン投与の効果について
- 脳卒中患者に対するトレッドミル歩行練習の効果について