NEWS 3/18(金)金城大学 第13回卒業証書・学位記授与式の様子を掲載しました

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3/18(金)金城大学 第13回卒業証書・学位記授与式の様子を掲載しました

平成28年3月18日(金)に、白山市松任文化会館において、平成27年度 金城大学第13回卒業証書・学位記授与式が行われました。 今年度は、社会福祉学部社会福祉学科社会福祉専攻101人、こども専攻58人、医療健康学部理学療法学科70人の計229人が卒業されました。 また、夜には卒業生たちからお世話になった教職員への感謝の気持ちを込めた、卒業記念パーティーが開催されました。

登壇者一覧

卒業証書・学位記授与

水野 恵美(介護福祉コース)
岩﨑 亮太(理学療法学科)

教職免許状授与

形屋 藍香(社会福祉コース)

■理事長表彰
石川 萌子(社会福祉コース)

■学長表彰
島野 真帆(介護福祉コース)
辻 ひかる(社会福祉コース)
岩﨑 亮太(理学療法学科)

■日本社会福祉士養成校協会長表彰
尾畑 芙祐美(社会福祉コース)

■日本介護福祉士養成施設協会長表彰
水野 恵美(介護福祉コース)

■全国保育士養成協議会長表彰
大形 美紗(こども専攻)

■日本医療教育財団理事長表彰
松永 恵里奈(医療・福祉ビジネスコース)

■日本理学療法士協会優秀賞
鮒岡 千春(理学療法学科)

■全国リハビリテーション学校協会優秀賞
太田 淳未(理学療法学科)

■卒業生記念植樹目録贈呈
中村 祐子(社会福祉コース)

■送辞
山下 香奈(作業療法学科)

■答辞
山下 舞(介護福祉コース)

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卒業式式辞 半谷 静雄

160318uss4金城大学の設立の理念に「明日の医療・福祉社会を先導するリーダー的存在の養成」とありますが、卒業生の皆様には、今後それぞれの分野で研鑽・経験を充分に積んで戴き、いずれは、地域社会、出来得ればここ白山地域における医療・福祉の発展に寄与されんことを切に希望しております。少子高齢化は、これからの日本の将来を左右する、避けては通れない最重要問題です。我が国の少子高齢化は今後も加速を続け、2060年には65歳以上の高齢化率は実に40%にも達し、この傾向は世界的な規模でこれからも広がりをみせると思われます。このことからも、老化予防、即ちアンチエイジングという言葉が、今後我が国はもとより世界的にもこれからの最も重要なキーワードの一つになるものと予想されます。

そして、少子高齢化を迎えるにあたり、これからは、高齢化を単にネガティブな社会現象として捉えるのではなく、より総合的にプラス思考で評価する必要があります。高齢者を一方的に扶養されるだけの存在としてではなく、大きな国の資産として再評価すべきです。この発想は、決して机上の空論ではありません。これを裏付けるデータがあります。人口統計指標の一つである「平均余命等価年齢」に基づく高齢化の見直しです。この指標は、各時代で平均余命の等しい年齢を同一年齢とみなす考え方ですが、これによれば2010年に75歳の方は、1960年の65歳と同じ年齢になります。これは、この50年で日本人は平均約10歳若返ったこと意味します。これには医学の進歩や、健康意識の向上などが寄与したと思われますが、このトレンドを将来さらに加速させれば、高齢者のさらなる若返りも十分に可能な筈です。

そのためにも、卒業生の皆様には是非将来の医療・福祉社会を支えるリーダーとして、“アンチエイジングのスペシャリスト”を目指して戴き、厚みのある国の資産としての健康で活力に満ちた高齢者の育成に活躍していただければと心から期待をしています。

さて、現在アンチエイジングという言葉がこれほど多用されるようになった背景には、少子高齢化に加え、もう一つ大きなインパクトがありました。それは山中信也教授が開発されたiPS細胞の登場です。iPS細胞といえば、直ぐ再生医療に目が向きがちですが、iPS細胞の登場はアンチエイジングの研究の扉をも、大きく開けてしまいました。何故なら、iPS細胞は癌細胞を除けば、人工的に作り得る唯一の不老不死、即ちアンチエイジングの細胞で、アンチエイジングの研究には不可欠だからです。山中教授は、たった3つの遺伝子の導入で、最も老化の早いマウスの繊維芽細胞を、不老不死のiPS細胞に作り替えてしまったのです。まさに、山中マジックといってもよい快挙です!山中教授の快挙は今世紀におけるノーベル賞のなかのノーベル賞といってもよいでしょう!では、何故世界中の優秀な研究者を差し置いて、山中教授にこのようなマジックができたのでしょう。勿論、山中先生の能力に負うところが一番ですが、私は山中教授がもともとは整形外科というES細胞とはまったく無縁の臨床医学からES細胞の研究を始められたことにあるからだと思っています。研究者のなかでもノーベル賞に最も近い分子生物学の先頭を走る優秀な研究者ほど、あまりにも複雑、不安定でかつ培養の難しいES細胞の特殊性に目が奪われ、所謂「常識の罠」に陥ってしまっていたと思います。この点、山中教授はその経歴から、そのような常識に縛られることなく、まさに常識破りともいえる画期的な手法で、iPS細胞をいとも簡単に誕生させてしまいました。当時このような常識外れの研究を行う研究者は他には誰もいなかった筈です。

ヒトは得てしてこの種の「常識の罠」に陥りがちで、これから皆様が進まれる医療・福祉の分野も例外ではありません。特にまだ歴史の浅いアンチエイジングの分野では、このような「常識の罠」に充分な注意が必要です。ただ、誤解のないようにお話をしておきますが、実社会での常識の多くは、社会生活を円滑に送るための先人の知恵であり、それを尊重することは極めて重要です。しかし、山中教授のような偉大な業績は得てして、常識や思い込みの枠から踏み出さないと達成はできません。一歩を踏み出す勇気が必要です。

卒業生の皆さまには若さがあります!世界のHondaの創業者、本田宗一郎氏の言葉に“若さとは困難に立ち向かう勇気、枠にとらわれずに新しい価値を生む智恵である”とあります。

幸い、白紙の状態で卒業される皆様は、専門分野でまだ常識の枠に囚われることもなく、この4年間、講義・実習等を通して物事の本質を見極めるstudy-skillsも充分に学ばれた筈です。今、まさに皆様は、山中教授がiPS細胞の研究を始めた時と同じスタートラインに立っています。本日ここにおられる卒業生の皆様が、それぞれの分野でリーダーシップをとり、今後高齢化の加速する我が国で、「常識の罠」に囚われることなく、高齢者の活用に大いに力を発揮されることを心より祈念して、卒業に際しての私の式辞とさせていただきます。

 

卒業記念パーティ

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