第3回「流通業実務家講師 講演」

2023.06.13 ビジネス実務学科

 

 ビジネス実務学科では「食の商品化と流通」の授業において、フード業界の第一線で活躍されている6名の外部講師をお招きし、業界の仕組みやテキストには載っていない現場ならではのエピソードなどを伺う「流通業実務家講師講演」を行っています。
 6月8日木曜日、第3回のご講演では、株式会社加賀麩不室屋の営業一部部長の土田大恭様から、商品開発の考え方と、他社コンテンツとのコラボレーションについて教わりました。

 

 まず、自社製品の開発について、食材市場の構造とともにお話しいただきました。その上で、他社とのコラボレーションとその具体的な進め方や手続きについても教わりました。その中で、抽象的なアイデアを具体的な方針へと整理するための枠組みとして、”5W3H”について具体例とともにお話しいただきました。
 コラボレーションは単なる金銭的な利益にはとどまらないそうです。製造する側は商品の認知度向上につながり、コンテンツ提供側は商品の種類増加につながるという利点があるとのことでした。また、商品が広がって購買層が増えるにつれ、新たな需要も見つかって新商品や新パッケージの発売につながった例もお話しいただきました。
 次に、カフェのメニュー開発についても伺いました。カフェ事業には若者に対する麩のショールームとしての役割があることや、人気メニューであるフレンチトーストの開発について伺いました。想定した客層と同じ20~40代の女性従業員から意見を聞き、PDCAサイクルを回して完成にこぎつけたこと、メニューに加わってからも同様の手順で改良を繰り返し、季節限定版も作られたことなどを実際の苦労も含めてお話しいただきました。

 最後に、実際に販売されているコラボレーション商品をお土産として頂きました。学生のレポートには、5W3Hを覚えておきたい、使えるようにしたいという声が多くありました。商品開発の現場での枠組みの使い方が強く印象に残ったようです。