8月23日、美術学科1年生は『地域美術演習』という夏季集中授業の現地取材に取り組みました。美術の力を使って、地域の魅力を社会に伝えることが課題です。
今年は、現地取材先に白山手取川ユネスコ世界ジオパークを取り上げています。
学生達は、今回の現地取材に至るまでに事前研修としてユネスコ世界ジオパークに登録された白山手取川ジオパークの魅力をすでに学んでいます。
この日はをいよいよ地域を訪ね、その魅力を取材しました。
最初に訪れたのは、白峰から白山の登山口で近くに手取川上流です。
河原には大きな巨石が見える中に、突然大きな岩が見えてきます。高さ16m、周長52mにもおよぶこの巨石は、昭和9年(1934年)の手取川大洪水のときに流れてきたものだそうです。重さが百万貫はあるだろうと伝えられたことから「百万貫の岩」とよばれています。当時の洪水のすごさをあらためて知ることができます。石川県指定天然記念物です。
次に訪ねたのは、日本屈指の豪雪地帯において、独自の建築様式が残る地区です。平成24年に文化庁より重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されています。
黄土色の大壁と縦長窓が特徴の大庄屋・山岸家をはじめ、土蔵造りを基本とする独特の建築様式を残す民家が軒を連ねています。学生達は街並みを歩き、厳しい自然の中で暮らしてきた人々の営みに想いを馳せ、街の魅力を探りました。
そして次に向かったのは、綿ヶ滝。
手取川が深く峡谷を作り出した中にある大きな滝です。
手取川峡谷に飛沫が落下する様が、綿が舞っているように見えるとのことからその名がついたそうです。32mの高さからの水流はダイナミックな迫力に満ち、周囲の景観の美しさも格別。綿ヶ滝の河床では、浸食地形や断層などを見ることができました。
最後に訪れたのは、獅子吼高原です。
獅子吼高原の頂上からは、白山手取川ジオパークの扇状地が一望できます。
自然が生んだ地形と人々の営み・文化をこの場所から見ることが出来ました。
今後はこの取材を元に、各コースの特色を活かした作品を制作し、11月の地域美術演習成果展にて作品展示を行います。その時には、改めて紹介いたします。