ショッピングモールの未来を
利用者の立場から変えていく
「共創パートナー」
になってほしい。
小寺 和也さん(写真左)木原 弘樹さん(写真右)
イオンモール
白山
2021年7月に開業した、北陸エリア最大級のショッピングセンター。約210店舗のうち、80店舗ほどが県内または北陸エリア初出店となる。
―まず、イオンモール白山について教えてください。
「イオンモール白山は2021年7月に開業した、まだ新しいショッピングモールです。特徴は、約210店舗のうち25%ほどを食の専門店が占めていること。これはほかのイオンモールと比べても高い構成比になっています」
―食の専門店が多い理由はなんですか?
「店舗のラインナップを考えるときに、私たちは地域のニーズを重視しています。石川県は『食道楽』といって、食べ物に関する関心・消費が高い地域なんですね。ですからこのようなゾーン構成になっているんです」
―お店の構成には、それぞれの土地に根ざした理由があるんですね。
「そのとおりです。また、お客さまに満足していただくだけでなく、地域の方に働いていただくわけですから、従業員の満足度向上にも力を入れています。休憩室には間接照明やソファなどを設置し、ゆったりくつろげる空間になっています。ほかにも、コンビニエンスストアを導入したり、女性専用のパウダールームを設置したりしています」
―従業員の方からの評判はどうですか?
「おかげさまで、非常に満足いただいています(笑)」
―それはなによりですね。そのほかに特徴的なことはありますか?
「地域の方の交流拠点となれるような活動も行っています。先ほど石川県を『食道楽』といいましたが、もうひとつの特徴として、石川県は人口に対して学生の数が多い『学都』の側面もあります。学生さんたちと一緒に何かできないかと考えていたところ、金城大学の方から産学連携のお話をいただきました」
―もうすでに実践されていることもあるそうですね。
「金城大学の学生のみなさんに協力していただいて、『KINJO健康キャンパス』を定期的に開催しています。地域のお年寄りを招待して、体操やウォーキングなどを行うという内容です」
―開催されてみて、どうでしたか?
「率直な感想としては、お年寄りと学生さんが話している雰囲気がすごくいいなと(笑)。イオンモールでウォーキングを開催しているところはほかの地域にもありますが、こんなに楽しそうなのは、あまり見たことがありません。学生さんたちの力によって、とてもいい価値が生み出せていると思います」
―金城大学には総合経済学部が誕生します。期待されていることは?
「経済や情報、健康を広く学べる学部ということで、それらをミックスした新しいアイデアに期待したいですね。私たちはショッピングモールの事業を30年間やってきて、考えが固定化しているという自覚があります。その古い考えを崩してもらいたいです」
―新しい視点からのアイデアを希望されていると。
「はい。小さいころからショッピングモールに来ていたという方は多いと思います。その利用者の立場から見て、『こんなことをしたい』『ここをもっとこうしたい』というアイデアを提案してもらいたいです。私たちと一緒に新しい価値をつくっていく『共創パートナー』になってもらえることを期待しています」